中古観葉植物と貸植木屋の業務
植物は生き物で、生長するものです。新品、中古と区分するものではないという人もいます。しかしそれは品種的に珍しいとか、樹形が極めて鑑賞価値が高いとか、植物そのものに価値のある場合の話し。普通に流通している鉢物の観葉植物には中古品は存在すると言っていいと思います。現に中古観葉植物1000円均一セールなんてやっている業者さんもありますし、うちも昔はやっていました。
鉢物の観葉植物は、中には時間の経過とともに大きくなって価値が向上するものもありますが、そういうのはごくごく限られています。ほとんどの観葉植物は、店頭に並んだ瞬間が一番価値のある状態で、あとは生長しても衰弱しても価値は落ちます。なぜ生長しても価値が落ちるかって、それは鉢のサイズに対して植物のボリュームがアンバランスになってくるから、また根がまわり過ぎるとそのうち植替えしなければならず、手間のかかる状態になりつつあるから。(それをわかってて買うならいいのですよ/観葉植物は最小規模の投資というこんな方もおられます)それに大概、店などに置いているうちに葉は傷んでくるものですから・・・
これは規格が統一されて生産されているマッサンゲアナ(幸福の木)。おそらく原木を輸入し、国内で土を入れ鉢植えに、芽がきれいに出揃ったら出荷。こういうのは植物といっても大量生産される工業製品みたいなものですね。そのままの状態でもそこそこは持ちますがほぼ確実に、そのうち傷んできます。5本植わっている内、1本また1本と順に枯れてきます。人工的に編んで作られているパキラも同様です。その時期を通り越して植物が環境に順応し、残った何本かを長く持たせている人は長く持たせているってところでしょうか。
弊社温室内。明らかに中古品です^^;
もちろん適宜新品も補充しつつ、これら中古品をいかに管理して長く持たせていくか、綺麗な状態を保っていくか、私たちも日々葛藤なんです。また、生長し過ぎて形が崩れた小鉢を集めて中鉢に、中鉢を大鉢に植えなおしたりして、結果的に生産的なこともしているわけです。
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